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「お互いサマー」制作日誌 Day 1-3 お互い様な日曜日

今年(2023年)の8月にオリジナル曲「お互いサマー」をリリースした。


(デモバージョンは記事の下部)


Day 1 (7/23 Sun)


この時期オレは金にもならず制作に時間とスタジオ代のかかる音楽活動からいったん離れ、言葉遊び系記事と哲学/考察系YouTubeに力を入れるつもりで、ブログ記事をSNS用にショート動画化してTikTokやショートパンツ(YouTube Shorts)に投稿したりしていた。それから、登竜門に載ってるコンペを夏休みの課題に掲げたりしていた。(生活保護アーティストのオレは年中夏休みみたいなものだが)


例によって友達も彼女もいないで孤独な状態で経済的にも精神的にも余裕がなくて毎日むしゃくしゃしてたオレは道を譲らない生き物や繊細さに欠ける生き物に制裁を加えて自害することも引き続き妄想しながら過ごしていた。その一方で昔の明るい自分を取り戻して彼女を50人くらい作って人生を楽しむ妄想もしていて、いつもながら自分の中のいろんな自分がお互いの足を引っ張りあっていた。


そこにこの連日の猛暑が加わって行動にも制限がかかり、脳が統合失調モードになって反芻思考や妄想が止まらなくなって何も集中が出来ずにボーッと過ごす時間が多くなっていた。この症状は基本的には一過性でまた回復するが、この状態になる頻度が年々増えている。本を書こうとしても考えがまとまらず何も出来ないことに苦しんだ末に入水死したヴァージニア・ウルフ (Wikipedia)の末期もこんな感じだったのだろう。オレの限界も着実に近づきつつある。


話を723日に戻して、この日は日曜だったが、オレは日曜になると「日曜 = 休み = 家にいなきゃいけない」みたいなアスペルガー思考になってしまう一方で、逆に「日曜 = 遊びに行かなきゃいけない」という思考にもなり、友達も彼女もいない40歳の生活保護受給者証明書受賞者であるという絶望的な現実も忘れて意味もなくワクワクしてしまい、心の底は抑鬱状態であるにもかかわらずドーパミンが炸裂しはじめ、それを増強するために酒を飲みたくなったりしてしまう。そんなわけでいつも日曜は朝起きたあと、家に居るのか出掛けるべきかという問題に12時間ほど悩まされる。そしてその間ずっとタバコを吸い続けたりしてしまい、経済と健康状況に深刻な打撃を与えてしまう。


この日もそんな葛藤を帯びた日曜であったが、アパートの隣人との関係がどんどん険悪(テレビの音や話し声に対してお互い被害妄想し合う状態)になってしまったため家に居たくない状態が続いていたので外に出かけることにした。


いつも他人を優先し過ぎてしまう臆病なオレは今回もまた在宅権を譲ってしまって、神経の図太い奴らに対する報復を固く誓っていた。最近はADHD薬のストラテラの副作用によって常にイライラしていて、路上で思わず他人に殴りかかったり女性に抱きついてキスしたい衝動に駆られることが多く、理性のタガが外れるのも時間の問題かもしれない。


無理に強気なフリしたり周りを気にしないようにしても無駄な努力で、周りに人がいるとソワソワして落ち着かなくなって何も集中でき無くなるし、精神衛生を優先すると外へ出かけざるを得なかった。下手に相手を刺激して刺されるのも怖い。人間、人生追い込まれると何をしでかすか分からないことは自分自身よく分かっている。家にいる時は常に耳栓かイヤホンをしている。


だいぶ話がそれてしまったがそんなわけで家からそう遠くない公園までチャリで疾走した。猛暑の中遠くまで行く気にはなれなかった。暑いというのもあるが日焼けするのが何より嫌だった。

公園に着き、例によって今後やるべきことやSNS戦略のこと、特に今心配したり考えたりする必要のないことを何度も繰り返し考えてるうちに時間がどんどん過ぎ去って行った。


アパートの隣人との関係性について考えることも多く、この日も「俺は悪なのか、相手が悪なのか」という、相変わらず境界性パーソナリティ障害が完治しきれていないような二極思考で善悪の葛藤に苛まれていた。


「まあオレにも非はあるだろうがお互い様だ」みたいに考えているうちに今回の楽曲「お互いサマー」のアイデアが浮かんだ。


過去に付き合った相手との関係も思い出していて、「傷つけたりもしてきたけど優しくしたり楽しませたりもしたし、相手にも非はあったしお互い様だな」と言って自分をなだめていた。


次第に思考がいかがわしくなっていき、接吻や性交時における口臭の気まずさについて思い巡らせていた。


「まあ人間なんてみんな口臭いし、お互い様だよなぁ」「正常位は口臭が気になるから顔を相手の顔の横につけて髪の匂いをクンクン嗅ぎまくるのが良い」


なんてことを考えてこれを歌にしたいと思い、適当なメロディに乗せて「正常なポジションは〜あまり〜好きじゃない〜♪」「口臭い〜 お互いさ〜ま〜♪」みたいな低俗な歌を即興で作った。


その後「お互い様」を「お互いSummer」に変え、「この曲を一瞬で作り上げて流行らせよう」と考え興奮していた。ハイになってきたオレは夏の日曜ということも相まってお祭りムードになり始め、コンビニでビールを買って飲みながらあれこれ妄想していた。


そんなわけで元々は「ブログと哲学系YouTubeを成長させたり登竜門やnoteで賞金稼ぎをする」という40歳の夏休みの課題はこの曲の制作へとシフトした。いつもながら行き当たりばったりであった。


帰宅後、ビールを飲んでハイになっていたオレは金も無いのに性懲りも無く出会い系に手を出して課金してしまった。冷やかし半分で掲示板に書き込んだりメールを送ったりしていた。自分が歳取ったり最近はメランコリックになっているせいか、この時期は若い子よりも安心感のある同い年とか熟女を求めていて、「優しい熟女が好きです。多少くそババアでも構いません」みたいな書き込みをしたところ、くそババアを自称する50歳くらいの女性からメールが来て少しだけやり取りした。もう一人、こっちからメールを送った30代のファミマで働いてそうな女性からも返信が来たのでメールを返して眠りについた。

Day 2 (7/24 Mon)

この日はいろいろと雑用に追われてたので作品作りには着手しなかった。自称くそばばあの人にメールを返すのもめんどくさくなってしまった。30代の方からの返信はなかった。プロフを見ると既に退会していた。金を使わせといて一言も言わずに逃げられてしまった。

Day 3 (7/25 Tue)

この日は午前中からチャリで25分くらいの、けっこう広めの公園に行って一昨日のアイデアを元に作曲をした。夏休みだしガキがいっぱいいるかなと思ったが猛暑と過保護な風潮のせいか少数しかいなかった。暑かったが、風がそこそこ吹いてて不幸中の幸いだった。


いつものように午前中はずっとタスクと心配事の再確認を何度も繰り返してるうちに時間が過ぎ去っていった。昨夜「タバコを連続で吸うのはやめよう」と誓ったことも忘れてチェーンスモーキングしてしまったがいつもよりは意識的に本数を減らすことは出来た。


コンビニ弁当で昼飯を済ませ、仕切り直して作曲を始めた。前作「Mina She Knows It」(YouTube)同様、メロディの断片から曲を作ることになったが、すぐにコードを合わせることが出来た。特にサビの部分はありふれた2コードだったから簡単だった。


最初にサビとその前の「汗臭い お互いさま〜」の部分を作り、ヴァース部分のコードをつなげていった。この曲はキャッチーで覚えやすいメロディと歌詞を主体にしてるため、変則的なコードとかトリッキーな転調とかは必要としなかった。「Iscream」「Cold Cheese」の時に犯した、季節物の曲をそのシーズンに入ってから着手して季節の終わりにようやくリリースするという失敗を繰り返したくなかったのでシンプルな曲にしてパパッと仕上げ、810日までにはリリースしたかった。


コード部分は1時間とかからず作り上げた。ありふれたコード進行を繋ぎ合わせたシンプルな曲にした。その後メロディが無い部分のメロディを考え、歌詞もほとんど無かったから存在しない言語で歌を合わせて何十回も繰り返し弾き語った。


大部分出来上がったのでさっそく仮レコーディングしようと思ったがイヤホンを家に忘れたことに気づいた。これではメトロノームや既に録ったパートを聴きながら録音出来ない。コンビニのイヤホンは無駄に高くて生活保護のオレには痛い出費だったし、近くに100均もなかった。


ちょっとしたことで感情が激変してしまうオレは絶望と怒りに全身をワナワナと震わせ、むしゃくしゃして自暴自棄になりかけたが、チューナー兼メトロノームアプリの「TEチューナー」にはテンポに合わせて画面が光る機能があることを思い出し、それを使って録ることにした。


気づくと公園内は人が増えていたが気にせず録音を続けた。ギターの仮録音を済ませた頃には17時前くらいになっていたが太陽は依然として燃え盛っていた。

歌を入れたかったので人が少ない川の河口付近の穴場スポットまで移動することにした。


途中でダメ元でローソン100に寄ってイヤホンを探すとイヤホンがあり、本当は大喜びして店内を叫びながら駆け回りたかったが、日本の風潮やネット時代特有の抑圧的な雰囲気に合わせてボソッと「あ、イヤホンあったわ」と言ってぬか喜びした。店を出るとチャリに乗りながらタバコを吸っている外国人がいたので思わず「Hey」と声をかけて注意したり暴行したくなってしまったが勇気がなかったし、ボーカル録りが何物にも増して先決事項だったため、生き急いだ。


道中、Googleのストリートビューカメラを搭載したプリウスが路肩に止まっていて、車内で白人男性の社員がスマホをいじっていた。オレが中途半端な発音で「あっ、ストゥリィービィウ」とつぶやくと白人はこっちを向いたのでオレは敬礼をし、相手も会釈をした。忙しそうだったしめんどくさかったのでそのままその場を離れ、再び生き急いだ。


河口に着いたがまだ太陽は照り付いていたので日が沈むまでは貨物列車が走る高架下でやることにした。時折通る列車の音がうるさくてただでさえ頭の中が騒がしくてパニックに陥るオレはそわそわして身体全体が緊急時の状態になっていたが、大声で歌の練習をするにはかえって好都合な面もあった。20時くらいまで歌の練習を続けた。


下の動画はこの日に録ったデモ。 (歌詞は日本語でも英語でもない適当な言語)



帰りは曲と仮録音の完成祝いに吉牛特盛とビールを買い、タバコを5本連続で吸いながら録音した曲を聴いて寿命を縮めていた。


つづく



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