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「女優ビッグバン」制作日誌 Day13-17 悪魔のリズム

Day 13 (4/14 Fri)

家で昨日録ったボーカルを編集していた。

録り直す必要のあるパートは特になくて一安心。


昔だったら時間の配分と見積りを誤って「今週いっぱいで仕上げる」と息巻いていただろうが、時間に対する見当識に欠けるADHD患者の私もさすがにいい加減学習しまくってきたため、来週いっぱいで音楽と動画を両方仕上げるのを目標にした。


早く作品を仕上げたい気持ちが強かったのか、女優の死を謳った作品に対する責任感を感じたのかは分からないが、この日のブラウザ履歴に@vを見た痕跡はなかった。



夜は不評の映画エクソシスト2を観た。確かにいろいろと不満が残る作品であり、特にラストでは本来なら悪魔との壮絶な格闘をすべきリーガンはただテンパってるだけなのが残念すぎたが、基本的なコンセプトは悪くはないと思った。「コクモ」という日本語っぽい名前が連呼されるシーンは素晴らしかったし、美しくさえあった。それだけに非常に残念である。もう少し制作に時間をかけるべきだったのだろう。スタッフの感染症等、制作サイドにとってもいろいろと呪われた作品だったようだ。豊潤に成長しサキュバスと化したリーガンの誘惑シーンでは少し勃起してしまった。昔なら確実に抜いていただろうが、生き急いでいるオレは最早そんな気分ではなかった。


映画「エクソシスト2」
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Day 14 (4/15 Sat)

雨の土曜という引きこもり日和だったため、一日中家にいた。


ギターと歌のレコーディングと基本的な編集が完了し、この土日でリズムセクションを作ろうと考えた。


とりあえずいつも通りiPhoneGarageBandAIドラマーを使い、「てみた」とかいう死語を使わないように気をつけながらいろいろと試してしっくり来るドラマーを探したところ、結局は「冷香」と同じMayaになった。


iPhone版GarageBand

冷香ではもう制作に時間をかけたくなかったしリズムは特に重要ではない曲だったからタンバリン以外はAIドラマーをそのまま採用したが、今回はリズムが重要な曲だったからAIに任せっきりにせずにAIを参考にしながら自力でチマチマと打ち込むことにした。


Mayaキットとは別に、パーカッションも一部加える必要があったが、天候と気圧の影響かこの日はいまいち頭が冴えず、同じことをグルグル何度も考えたりする状態にあり、何をどうしたらいいのか分からずにボーッとしたりしていた。ついついこだわり過ぎたり凝った事をやろうとしたり難しく考えたりしてしまう癖を抑えるように何度も言い聞かせていた。


当初、セクション間のつなぎ(トランジション)部分は手動で1から入力するのは面倒だったため、AIを採用しようと思っていた。そのため、他の部分もAIドラマーのMayaと同じキットを使って打ち込む必要があり、ドラムキットのリストの中から探し出した。


最終的にはつなぎ部分も全て手動で入力することになり、AIと同じキットを使う意味は無くなってしまったが他の音に変える必然性も感じなかったので結局そのまま使った。


パーカッションを使う場面(サンバっぽくなるシーン等)のパーカッションに関してはAIドラマーをそのまま使ったが、クラベス(拍子木)とカウベルがうるさいからドラマートラックを複製し、その二つだけ分離して音量を下げた。


午前中はやる気が起きなかったが、ひとたび方向性が決まって作業を始めてからは没頭しはじめ、気づくと14時半になってたので昼飯を食べた。飯を食べてる時は何かを観たり読んだりしないと落ち着かなかったり損をした気分になるオレだったが最近は物事への関心もなくなってネット検索したりSNSを眺めたり新しい本やマンガも読まずニュースもテレビも見ない(部屋にテレビがない)ため、ネタがなかった。映画は観るが昼飯時に観る気にはなれなかった。つい最近ONE PIECE1巻から読破したがそれも終わってしまっていた。そこで特別きっかけもなく久々に「最高のB級マンガ」、トリコを読むことにした。



ONE PIECEの凝りすぎた技名とは対照的に、「ナイフ」「釘パンチ」等、ストレートでダサいトリコの技名が好きだ。時代遅れのムキムキ筋肉の絵も技名同様にダサかっこいい。


頭を切り替えられないADHD患者のオレは案の定トリコに没頭してしまい、17時過ぎまで読んでいたがさすがにマズいと思って作業を再開した。


夜は毎週のことながらカレーを作り、普段は節約のために薄めた焼酎を飲んでるがビールを買い、映画エクソシスト3を観た。評判通りなかなか面白かったが、オレとしては悪魔に取り憑かれたミスター・カラス*を今度は大人になったリーガンが格闘の末に救うという展開にしてほしかった。そのリーガン自体登場しなかったのも残念だった。


映画「エクソシスト3」
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その後はまたトリコを夜中まで読んでいた。昨日は我慢出来た才ナ二一をまたしてしまった。


*M・ナイト・シャマラン作品「ミスター・ガラス」


Day 15 (4/16 Sun)

夜中までトリコを読んでいたため起きるのは遅かった。天気が良くて出掛けたい気分だったが、人が多い日曜に出掛けてもどうせすぐむしゃくしゃするだろうし、リズムパートを今日中に仕上げたかったので土曜に引き続きリズムパターンの編集にいそしんだ。


マンガに費やした時間を取り戻すため、トリコは読まなかった。(読み出すと絶対に頭を切り替えられない)


仮作成したリズムトラックにギターとボーカルを加えたミックスを聴いてるとテンションが上がってきて、作業に集中することが出来た。


夕方頃にはほぼ仕上げることが出来た。その後寂しくなってLINE友達掲示板に書き込んだりし、そして散歩に出掛けた。いつもチャリに乗ってるからたまには歩こうと思い、見晴らしの良い所まで坂を登り、ビールを飲みながらミックスダウンした曲を聴いて黄昏れていた。


夜はエクソシストシリーズを観返していた。


制作開始から(当初完成予定だった)2週間が経過し、レコーディングとリズム作成は終了した。残るはミックス作業と動画、ジャケット画の制作だ。完成が急がれる


Day 16 (4/17 Mon)

作品の完成が急がれ、絶対に今週中に完了したかったが、先週末ずっと家に引きこもっていたため出掛けたい気持ちが強かった。平日、特にただでさえ憂鬱な月曜に自宅にこもってると死にたくなるから嫌だった。


それでも作業が絶対優先だったから近所の公園で作業しようと思っていた。コンビニのイートインやカフェで作業する気分でもなく、外で気晴らししたかった。


チャリに乗って目的の公園の前まで来たが、まだチャリで疾走していたい気分だったのでそのまま素通りしてしまった。家の近所では気分転換にはならないため、結局そのまま30分以上も走り続け、気づけばかなり遠くの海に近いエリアまで来ていた。すると、さっきまで天気は良かったのに急に雨が降り出し、天気が不安定なこの時期に予報を見てこなかったこと、こんな遠くまで来てしまったことを激しく後悔した。


だが雨は一時的なもので30分くらいで止み、また晴天になった。いつものようにファミマでセックスサンドを買い、海沿いの公園に向かった。恋という名の一時的な幻想に酔いしれたカップルが多いスポットではあるが、平日の昼間は人は少なめだった。公園のいちばん端のベンチに座って作業をはじめた。


この日は各トラックの音量をオートメーションとリミッターを使って均一化するという事務的な作業に明け暮れた。事務仕事に向かず、かといって体力もないから仕方なくアーティストにならざるを得なかったオレが何でこんなことをしなきゃいけないんだと愚痴をこぼしながらも薬の効果もあり集中して作業出来た。


音楽やるならWindowsよりMacが良いとはさんざん言われてるが、音楽系でもこういう事務作業はThinkPadやレッツノートでやるべきだなと思った。むかし表計算と音楽制作を足して割ったようなアプリのアイデアを練っていた事を思い出した。エクセルで音楽制作が出来るならオレはSurface Proの中古品を買っていただろう。「音楽は感情の数学」とはよく言ったものじゃわい


途中犬の散歩をしてるお姉さんに気を取られたりしながらもかなりの集中力を見せ、19時近くまで作業していた。あたりはすっかり暗くなっていた。雨が降った時は遠出したことを後悔したが良い気分転換になり、結果オーライな形となった。


ここんところホラー/サスペンス系の映画を観まくっていた流れで、以前からずっと観ようと思っていたスティーブン・キング原作の映画「シャイニング」を観ながら夜飯を食べた。


その後も軽く作業して深い眠りに就いた。


Day 17 (4/18 Tue)

家に居たくなかったが肌寒かったのでコンビニのイートインで作業した。Cセクションのコーラスの編集に時間をかけた。


昼ごろにやってきた、死んでもいくらでも代わりがいそうなカップルがウザくて暴力を振るいたかったがイヤホンで耳を塞ぎ、視界に入らないようにして作業をしていたが、どうしても話し声が気になるためコンビニを後にし、サッカーグラウンドのある公園に行った。


暗くなるまで作業して帰宅した。ひと通り全てのトラックの音量調整は完了し、あとはイコライジングと最終調整のみとなった。


酒を飲んで夜飯を食いながらスティーブン・キング原作の「IT それが見えたら終わり」を観た。リアリティに欠けるエンタメ志向な作品にいささか萎えつつもそれなりに楽しんだ。現実とファンタジーの調和と言う意味では最近ハマってたナイト・シャマランとか宮崎駿のほうが上だと思ったが、キングの力不足というよりは脚本と監督の手腕によるところが大きい。オレの音楽や文章も常に現実とファンタジーの混在であり、なかなかの才能を秘めていると自負してはいるが世間にはなかなか理解されないでいる。そんな厳しい現実にさらされながらもファンタジックに酔っ払い続けてることには理由があった——


映画「IT それが見えたら終わり」
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つづく


🏷️ 女優ビッグバン 映画  音楽制作  GarageBand  チャリ  Mac


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